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Out of Ragol 偉大なるギャツビー Chapter1 忍者ブログ

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2017.05.29 (Mon)
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偉大なるギャツビー Chapter1

ベイカー嬢と僕は、意味もなくちらりと視線を交わした。僕が何か話そうとしかかったとき、彼女は腰を上げてシーっと自分の唇に指を当てた。部屋を隔てて、激情を押し殺したささやきが聞こえてきた。ベイカー嬢は恥ずかしげもなくあからさまな盗み聞きを果敢に続けた。かすかな声は、一貫して震えていたが、悲しげに沈み、盛り上がり、ぱったりと途絶えた。
「さっきのギャツビー氏っていうのは僕の近所のー」僕は言いかけた。
「しゃべらないで。何が起こっているのか聞きたいの」
「何か起こっているのかい?」僕は素朴に尋ねた。
「あなた、僕は知らないって言うつもり?」ベイカー嬢は驚いたようだった。「誰だって知ってると思ってたわ」
「知らない」
「なぜ・・・・・・」彼女はためらいがちに言った。「トムにはニューヨークに女がいるの」
「女がいる?」僕はばかみたいに繰り返した。
ベイカー嬢はこくりと頷いた。
「ディナーの真っ最中に電話を掛けてこない分だけ上等だと思わない?」
僕が彼女の言った意味を理解する前に、ドレスとレザー・ブーツの靴音が聞こえ、トムとデイジーが戻ってきた。
「もう我慢できない!」デイジーが愉快そうに叫んだ。
彼女はベイカー嬢と僕を意味ありげに見つめながら腰を下ろして続けた。「ちょっと外を見てみたの。外はすごくロマンティックな夜だわ。芝生に鳥がいるの。きっとキュナードかホワイト・スター・ラインを超えてきたナイチンゲールに違いないわ。鳴いているの―」彼女の声はまるで歌うようだった。「ねえ、ロマンティックじゃない?トム」
「とてもね」トムは言ってから惨めそうに僕に向かって続けた。「ディナーは終わりにして、馬小屋を見せたいんだが」
 電話が部屋の中で、誰かを脅かすように鳴っていた。デイジーが馬小屋の話を持ち出したトムをまっすぐに見つめた。実際はどんな話題でも消えてなくなる運命だった。テーブルの上で5分間のうちに起こり、粉砕されたもののうち、僕が覚えているのはキャンドルの火が再び明るく漠然と輝いたことと、僕が他の3人をちょうど同じくらいの長さになるように眺め、彼ら全員から目を背けていたことだ。僕にはデイジーやトムが何を思っているのかさっぱりわからなかった。でも僕は、非常に完成された懐疑主義者に見えるベイカー嬢にさえも金属的に鳴き続ける5番目の客人(電話)のかなきり声は予想の範疇を超えていたのではないかと思う。非常に限定された気性の持ち主であれば、その状況を楽しめたのかもしれない―僕の気性の場合は、「すぐに警察に電話しよう」だった。


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2014.01.30 (Thu)
Category[偉大なるギャツビー]
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